高齢化が進むにつれて、生活習慣病予防だけでなく、足腰の健康の増進も重視されて、フレイル予防のための栄養学も注目されるようになりました。フレイルは健康と要介護状態の中間の状態を指していて、予備能力低下によって身体機能障害に陥りやすい状態で、2014年に日本老年医学会から学術用語として提唱されました。
これに対応する予防対策としての栄養学は「予防栄養学」と呼ばれ、身体の状態と疾患の悪化をともに予防するということで、これは私が学んできた“臨床栄養”の範疇といえます。
ここまでは医師が大学で学ぶことができる内容ですが、今ではより健康になり、身体機能と脳機能を含めた機能向上を目指した栄養学が重視されるようになりました。
これは「発達栄養学」と呼ばれ、性別、年齢、活動量(運動、日常活動)だけでなく、個々の身体の成長や発達に応じた能力を発揮させる栄養学となっています。
発達栄養学は、性別、年齢、活動量だけでなく、個々の身体の成長や発達に応じた能力を発揮させる栄養学であるということを前回(食のリテラシー17)紹介しました。
栄養学を学ぶことができる大学でも、発達栄養学を冠した学部・学科も増えてきました。発達栄養学という名称に相応しい講義が実施されている大学がある一方で、以前と大きく変わらない内容のままという大学も少なからずあります。
個々の成長や発達に必要な栄養素を摂取するのは当然のこととしても、その栄養素の意味合いとしてエネルギー代謝の向上を掲げているのが発達栄養学の、これまでとは違った考え方となっています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕






