免疫細胞の機能を高めるためには、免疫細胞の主なエネルギー源であるブドウ糖が必要で、血液中のブドウ糖が大きく不足することがあってはいけない、ということを前回(食のリテラシー20)説明しました。
こういった話をすると、血液中のブドウ糖が多い状態、つまり血糖値が高い状態は免疫を高めることになるのではないか、という質問が出ることがあります。血糖は血液中のブドウ糖のことで、その量を示す値が血糖値です。
免疫細胞のエネルギー源のブドウ糖は不足してはいけないものの、必要量があって、これを超えたら無駄なものとなります。無駄というだけで済まずに、免疫を低下させることにもなります。
糖尿病の患者の場合には、高血糖状態であった期間にもよるのですが、平均すると10年以上も平均寿命が短くなるとされています。それは免疫だけの問題ではないものの、血糖値が高すぎると免疫細胞の中のブドウ糖が多くなりすぎることによって、細胞の機能が低下していきます。
また、血糖値が高いと血液がベトベト状態になり、白血球が毛細血管を通過しにくくなります。そのために全身の必要とされるところに駆けつけるのに時間がかかるようになり、その分だけ病原体などと戦うのが遅れることになります。
血糖値は、できれば正常範囲に保つようにすることが重要ということで、空腹時間が長くなることも、一気に多くの糖質(ご飯、パン、麺類、砂糖など)を摂ることも避けるようにすることが、免疫強化のためには重要だということです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕