食のリテラシー26 悪玉コレステロールの減らしすぎの影響

悪玉コレステロールと呼ばれるLDL(低比重リポタンパク質)の検査数値が高いと、これを減らすためにコレステロールが多く含まれる食品(卵黄、肉の脂身、内臓肉など)を減らそうと考えるかと思います。

血液中のコレステロールの80%ほどは肝臓で合成されていて、食品に由来しているのは20%ほどです。肝臓の機能には調整能力があって、食品から摂るコレステロールが増えると肝臓で合成するコレステロールの量が減ってバランスが取れるようになっています。

このバランスが崩れる大きな原因は、全体的なエネルギー量の摂取過剰です。食事で摂取した脂質、糖質、たんぱく質が過剰になると、コレステロールの合成量が増えて、これを血液の中で運ぶLDLが増えていきます。

脂質(脂肪)はエネルギー量が高くて、1gあたり約9kcalとなっています。それに対して糖質もたんぱく質も1gあたり約4kcalなので、脂肪を多く摂るとコレステロールが増えやすくなります。

しかし、最も多い原因は全体のエネルギー摂取量が多すぎることなので、脂肪を減らしても、ご飯を多く食べるとコレステロールの合成量が増えて、悪玉コレステロール(LDL)が増えることになるのです。

LDL値が一定の範囲内であるのはよいことであっても、下げすぎる(減らしすぎる)と全身の細胞の材料であるコレステロールが減ることになります。

血管の細胞にもコレステロールが必要であるので、減らしすぎは血管が弱くなり、切れやすくなるというリスクが高まることになるのです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕