食の不都合な真実15 品種改良による栄養低下(大根2)

青首大根は初めて登場した1974年から、一気に栽培量、販売量ともに伸ばしていきました。今では国内で栽培される大根の90%以上を占めています。

大根は販売店では特売品や目玉商品となりやすく、同じ形、大きさ、重さなら同じ価格で販売することができます。

以前に主流であった三浦大根などの白首大根のように形も大きさも重さも違っていたときに比べると、販売しやすく、箱に入れて輸送しやすいので流通コストも抑えられるという大きなメリットがあります。

そのメリットのために生じたデメリットがあります。それは成長しきったところで抜くという当たり前のように続けられてきた伝統が薄れていった(状況によってはなくなった)ことです。

青首大根は太さが一定であることから、箱に収まる長さになったときに抜くことで、箱に効率よく入れて輸送することができます。そのために栄養が最も充実する前の成長しきっていない段階で抜くこともあれば、逆に栄養が徐々に低下していく盛りが過ぎた状態で抜くこともあります。

昨今のように気候が安定しない状態では、なおさら栄養が足りない状態で店頭に並ぶことは仕方がない状態です。

以前の大根は辛味があって、生では辛さを楽しみ、煮たものでは甘みを楽しむということがあったのですが、青首大根は辛味が少なく、ビタミンCも以前より少なくなっています。

今の時代は大根からビタミンを摂取しようと考えることはあまりないかもしれませんが、全体的に栄養価が低下している上に、栄養が充実する前に抜いて販売するという現状から、栄養低下の野菜(根菜)としてあげられているのです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕