食の不都合な真実16 卵の栄養不足の原因1

卵(鶏卵)は“物価の優等生”と呼ばれていた時代があって、小売価格が長期間にわたって、ほとんど変化しない商品を指す言葉で、その代表が卵でした。

ところが、鳥インフルエンザの発生や飼料価格の高騰、異常気象による生産減などの影響を受けて、60年以上も続いた物価の優等生は過去のものとなっています。

なぜ、物価の優等生でいられたのかというと、生産性の向上があげられていますが、どのように向上させていったのかがわかると、見た目は同じであっても内容が異なることがわかってきます。

価格が高くても、中身が変わらない、むしろ中身がよくなっているということであれば、物価ではなくて“栄養の優等生”と呼ぶこともできるのでしょうが、そうではないのが実際のところです。

卵が栄養豊富であるのは事実で、“完全栄養食品”とも呼ばれています。ビタミンCと食物繊維以外の必要な栄養素はすべて含まれていて、必須アミノ酸のバランスがよい“良質なたんぱく質”となっています。

必須アミノ酸は、体内で合成されないために食品から摂る必要があるアミノ酸のことで、その種類と分量が満たされているものが良質なたんぱく質です。卵の他には、肉、魚、牛乳、大豆があげられます。

そのような重要な栄養源でありながら、かつてはコレステロールの含有量が多いため、動脈硬化の要因となるとして卵の摂取が制限されることがありました。1日に1個までという制限でしたが、今では卵のコレステロールと動脈硬化の因果関係が否定されるようになって、1日に2〜3個を摂っても問題はないという状況になっています。

ここまでは、お題の「卵の栄養不足」とは離れた話でしたが、次回(食の不都合な真実17)から本題に移っていきます。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕