かつては、卵を産む鶏(採卵鶏)は、1日に1個の卵を産むというのが常識でした。
卵に殻ができて体内で完成するまで24〜25時間かかるので、1日に1個が限界とされてきました。
それが栄養改善(飼料の工夫)と体質改善(採卵鶏の種類の選択)、環境改善(ストレスなく産卵できる設備や空調)によって、短時間で卵が完成するようになりました。その短縮時間は最大で4時間程度で、それによって20時間に1個の卵を産むことができるようになりました。
といっても、1日24時間の自然の周期は同じで、昼に起きていて、夜に眠るのは変わらないはずです。それを20時間で1個を産むようになった(産むようにさせた)のは、窓がない鶏舎で、電灯の点灯と消灯を繰り返すことで鶏舎の中を20時間で1日になるようにしたからです。
もともと24時間に1個の卵を産む鶏に、20時間で1個を産むようにさせることで、4日ほどで5個の卵となり、確かに効率はよくなります。その分だけ多くのエサを食べるようにさせて、余分なエネルギーを使わないようにさせることが求められます。
余分なエネルギーを使わせない工夫の第一の方法は密飼いです。棚状の狭いケージの中で、あまり動けないようにすると、卵の中にエサの栄養成分が入っていくと考えられがちですが、20時間で1個の産卵という慣れていないことを続けさせることで体力の消耗が起こります。
そのために卵の黄身の栄養価が低下していくことになります。それと同時に黄身の色が薄くなっていきます。これをカバーするために、卵黄の色を黄色くするために色素がエサに混ぜられています。
その色素は天然のものだけではなくて、卵黄着色料という合成のものも使われています。
卵黄着色料については次回(食の不都合な真実18)で説明していきます。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕






