食の不都合な真実20 卵の栄養不足の原因5

卵(鶏卵)は品質も価格も安定していて、生産性が低下する夏場であっても変化はしないと言われてきました。

放し飼いをされている鶏であれば天候の影響を受けやすいものの、現在のように卵工場と言われるような効率重視の生産体制だと変化は起こりにくく、卵について一般常識のまま発言をしても問題がないようなことが続いてきました。

これは採卵鶏が暑さに弱くなったことも影響しています。鶏は卵から成長するので、“卵が先か鶏が先か”ということが言われますが、答えからすると鶏が先です。その卵を産む鶏は、雛(ひよこ)の段階で海外から輸入されています、その割合は94%にも及んでいます。

国内で卵(有精卵)から生まれているのは6%でしかないわけですが、日本で鶏が産んでいる卵が自給率のベースとなるので、その自給率は95%となっています。

ひよこは、どこからきているのかというと、以前は東南アジアからの輸入が多く、その大半はタイが占めていました。以前の鶏は誕生した地域の気温の関係から暑さに強かったので、夏場に卵の質が変わることは少なかったのですが、輸入地域の変化から暑場の卵の質が変わるようになってきました。

採卵鶏の輸入は今ではイギリス、アメリカ、オランダ、カナダ、フランス、ニュージーランドなどとなり、暑い環境で育った雛ではありません。それが猛暑の日本で卵を産むことによって黄身の栄養価に影響が出ているということです。

卵の“あるあるネタ”の中に「LサイズとMサイズは正味重量が違っても黄身の大きさに違いはない」という事実があります。正味重量はLサイズが約60g、Mサイズが約50gで、黄身の重量はLサイズが約19g、Mサイズが約18gです。

実際には違いはあるものの、これは誤差のうちということで「黄身の大きさは同じ」ということが言われているわけです。

ところが、ここ数年の猛暑の影響で、夏バテから鶏の食欲が低下して、夏場の卵は小ぶりになっています。また、黄身も小さくなっていて、これまでの“あるあるネタ”の通りにはいかなくなっているのです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕