食の不都合な真実3 食に影響を与える季節の変化

日本の季節の特徴といえば、教科書にも載っているように「四季」があることです。四季は言わずと知れた1年を4分割した春・夏・秋・冬の4つの季節のことで、温帯地域と亜寒帯地域にみられる特徴です。

異常な気候が続く中で、言われることが多くなったのは、「四季が二季になってしまった」ということです。実際には春・夏・秋・冬の4つの季節のうち2つがなくなったわけではなくて、4つの季節は今も存在しています。

違ってしまったのは、それぞれの季節の長さが変わったことです。4つの季節では、12か月を4分割した3か月間が、長くなったり、短くなったりしています。最も問題とされている夏は6月から9月までの4か月になっています。

季節を感じるのは衣類の変化もあって、日本では夏物、冬物、それに春秋物があります。季節感に合わせた色合いとデザインもあるので、本来なら春物と秋物は布地の厚さが同じであったとしても別のものとされてきました。

ところが、夏が4か月間になり、冬も4か月間になると、春は2か月間、秋も2か月間となって、季節を感じさせるものを楽しむような雰囲気ではなくなってきています。春秋物が一緒になってきているのですが、その春秋物の衣類が売れない時代になっています。

気温の影響を大きく受けるのは屋外で栽培される野菜なども同じで、暑くても寒くても、その気温の振れが大きくなっていて、これまでの栽培地の気温の状態と離れるほど育ちにくくなっています。

野菜が育ちにくいのは暑さや寒さといった気温の影響だけでなく、野菜の種子が育った環境と、土(栽培土壌)に植えてから育つ環境との違いが大きくなっていることも強く関係しています。

ここまでのことを見ても、何を言わんとしているのかわからないという人も多いかと思いますが、それは種子の自給率を見るとわかってきます。日本で栽培される種子は日本で取れているはずなので、自給率は100%に近いのではないか、などと言っていられたのは今から30年以上前に終わっていたのです。

その実態については次回(食の不都合な真実4)に続きます。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕