食事摂取基準111 トランス脂肪酸1

「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、各論のエネルギー・栄養素について説明しています。その中からトランス脂肪酸の「基本的事項」「摂取状況」を紹介します。

〔基本的事項〕
トランス脂肪酸(トランス型脂肪酸)は不飽和脂肪酸であり、1つ以上の不飽和結合がトランス型である脂肪酸です。
(注:自然界に存在する脂肪酸に含まれる不飽和結合のほとんどはシス型結合です)

工業的に水素添加を行い、不飽和脂肪酸(液状油)を飽和脂肪酸(固形油)に変えるときに副産物として発生します。つまり、これらのトランス脂肪酸は工業由来のものです。

また、反芻動物の胃で微生物によって生成され、乳製品、肉の中に含まれる脂肪酸の中にもトランス脂肪酸が存在します。
我々が摂取するトランス脂肪酸は、この2つに大別されます。

〔摂取状況〕
食品安全委員会は「食品に含まれるトランス脂肪酸」(報告書)で、国民健康・栄養調査(平成15〜19年)のデータを解析して、全対象者における平均値、中央値ともに0.3%エネルギーと報告しています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕