食事摂取基準131 炭水化物14

「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、各論のエネルギー・栄養素について説明しています。その中から食物繊維の「測定法の変化を踏まえた目標量の捉え方」の続きを紹介します。

〔測定法の変化を踏まえた目標量の捉え方〕
測定法の変化による成分値の変化率は食品によって異なり、一律に係数などを使用して換算することは困難です。

これは、AOAC.2011.25法によって新たに測定された低分子量水溶性食物繊維や難消化性でん粉の総食物繊維量に占める割合が、食品によって異なるためです。

食品自体の変化ではなく、測定法の変化により、日本食品標準成分表(七訂)を用いた場合と日本食品標準成分表(八訂)を用いた場合で、栄養計算の結果得られる食物繊維の提供/摂取量の推計値がかなり異なる(多くの場合、八訂を用いたほうが高くなる)ことに留意する必要があります。

日本食品標準成分表(七訂)と同じ方法で食物繊維成分値を測定している日本食品標準成分表(六訂)を使った場合の食物繊維摂取量推定値と、AOAC.2011.25法を取り入れている日本食品標準成分表(七訂)追補2018年を使った場合の推定値を比較した報告でも、後者で値が大きくなることが示されています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕