「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、各論のエネルギー・栄養素について説明しています。その中からエネルギー産生栄養素バランスの「活用上の注意」を紹介します。
〔活用上の注意〕
エネルギー産生栄養素バランスを食事改善などで活用する場合には、特に次の3点に注意すべきです。
1 基準とした値の幅の両端は明確な境界を示すものではありません。特に使用する食品成分表が異なることで、得られるエネルギー産生栄養素バランスに違いが生じる可能性があります。このことを十分に理解して柔軟に用いるべきです。また、各栄養素の範囲の下端や上端を合計しても100%にならないことにも注意すべきです。
2 脂質と炭水化物については、それぞれの栄養素の質、すなわち構成成分である個々の脂肪酸や個々の糖の構成(特に飽和脂肪酸と食物繊維)に十分に配慮します。
3 何らかの疾患を特定して、その疾患の発症予防を試みたり、その疾患の重症化予防を試みたりする場合には、期待する予防の効果とともに、これらの栄養素バランスに関する対象者の摂取実態などを総合的に把握して、適正な構成比率を判断します。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕






