「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、各論のエネルギー・栄養素について説明しています。その中から脂溶性ビタミンのビタミンAの「必要量を決めるために考慮すべき事項」を紹介します。
〔必要量を決めるために考慮すべき事項〕
乳幼児ではビタミンA欠乏により、角膜乾燥症から失明に至ることもあります。
成人では夜盲症を発症します。
その他、成長障害、骨や神経系の発達抑制も見られ、上皮細胞の分化・増殖の障害、皮膚の乾燥・肥厚・角質化、免疫能の低下や粘膜上皮の乾燥などから感染症にかかりやすくなります。
生体指標としては、肝臓のビタミンA貯蔵量と血漿レチノール濃度があります。
肝臓のビタミンA貯蔵量が20μg/g以下に低下するまで血漿レチノール濃度の低下は見られず、鋭敏性に欠けるため、血漿レチノール濃度はビタミンA体内貯蔵量の評価指標としては不適切です。
現在のところ、肝臓のビタミンA貯蔵量がビタミンAの体内貯蔵量の最も良い指標となります。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕






