「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、各論のエネルギー・栄養素について説明しています。その中から脂溶性ビタミンのビタミンAの過剰摂取の回避の「摂取状況」、耐容上限量の策定方法の「基本的事項」を紹介します。
〔摂取状況〕
過剰摂取による健康障害が報告されているのは、サプリメントを大量に摂取した場合や動物の肝臓を大量に摂取した場合です。
〔基本的事項〕
プロビタミンA(カロテノイド)からのビタミンA(レチノイド)への変換は厳密に調節されており、必要に応じて体内でビタミンAに変換されます。
つまり、カロテノイドを大量に摂取しても過剰症を生じるレベルまでレチノイドに変換されることはありません。過剰症を起こすのは、ビタミンA(レチノイド)だけです。
したがって、ビタミンA(レチノイド)に対してのみ定め、プロビタミンA(カロテノイド)は含めないこととしました。
ビタミンAの過剰摂取による臨床症状について、肝臓障害、骨密度および骨折、脂質代謝、胎児の奇形、乳児では泉門膨隆および頭蓋内圧亢進があげられます。
ここでは、急性過剰症に該当する肝臓障害を回避する目的で、耐容上限量を定めました。
ビタミンAの過剰摂取により、血中レチノール濃度および血中のレチノイン酸濃度が一過性に上昇します。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕






