食事摂取基準152 ビタミンD2

「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、各論のエネルギー・栄養素について説明しています。その中から脂溶性ビタミンのビタミンDの基本的事項の「機能」と「消化、吸収、代謝」を紹介します。

〔機能〕
ビタミンDの主な作用は、ビタミンD依存性たんぱく質の働きを介して、腸管でのカルシウムとリンの吸収と腎臓での再吸収を促進することです。

その他の機能として、骨髄(骨芽細胞やリンパ球など)、免疫系に属する細胞、皮膚、乳房や前立腺の上皮細胞、筋肉、腸などの様々な細胞における分化促進や増殖抑制作用があげられます。

〔消化、吸収、代謝〕
ビタミンDは、肝臓で25−ヒドロキシビタミンDに代謝され、続いて腎臓で活性型である1α,25−ジヒドロキシビタミンDに代謝されます。
1α,25−ジヒドロキシビタミンDは、標的細胞の核内に存在するビタミンD受容体と結合して、遺伝子の転写制御を行います。

血中の25−ヒドロキシビタミンD濃度は、摂取と皮膚での産生の双方の体内のビタミンD量を反映することから、ビタミンDの生体指標とされています。

一方、1α,25−ジヒドロキシビタミンDは、健康な人で、その血中濃度は常に一定に維持されており、ビタミンDが欠乏すると、血中のカルシウムイオン濃度が低下して、その結果として、血中副甲状腺ホルモン濃度が上昇します。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕