食事摂取基準153 ビタミンD3

「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、各論のエネルギー・栄養素について説明しています。その中から脂溶性ビタミンのビタミンDの指標設定の基本的考え方を紹介します。

〔指標設定の基本的考え方〕
ビタミンDが欠乏すると、小腸や腎臓でのカルシウムとリンの吸収率が減少して、石灰化障害(小児ではくる病、成人では骨軟化症)が惹起されます。

一方、軽度の不足であっても、腸管からカルシウム吸収の低下と腎臓でのカルシウム再吸収が低下して、低カルシウム血症が生じます。
これに伴って二次性副甲状腺機能亢進性が惹起され、骨吸収が亢進して、骨粗鬆症と骨折へと至ります。

ビタミンDは食事から摂取するだけでなく、皮膚でも産生され、両者がビタミンDとして体内で利用されるため、摂取すべきビタミンDの量を皮膚での産生量と独立して決めることは困難であり、またその意味も乏しくなっています。

また、過剰摂取による健康被害として、高カルシウム血症を対象に耐容上限量を設定しました。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕