「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、各論のエネルギー・栄養素について説明しています。その中から脂溶性ビタミンのビタミンDの欠乏回避の「目安量の策定方法」の続きを紹介します。
〔目安量の策定方法〕
*高齢者(目安量)
高齢者においても、成人と同様に血中25−ヒドロキシビタミンD濃度の参照値は20ng/mLとしました。
高齢者では、ビタミンDが不足状態にある者が多いことは日本人でも報告されています。
また、血中25−ヒドロキシビタミンD濃度を20ng/mLに維持するのに必要なビタミンD摂取量の検証として、日光曝露の機会が非常に乏しい日本人の施設入所高齢者に対する介入試験があり、血清25−ヒドロキシビタミンD濃度を20ng/mL以上とするためには、5μg/日では無効で、20μg/日でも1か月間の介入では20ng/mLを超えたのは約40%に留まったとの報告があります。
諸外国の食事摂取基準では、高齢者に対して20μg/日という推奨量を定めている者がありますが、この値は日光曝露が乏しいことを前提としたものです。
したがって、これらの結果を我が国の自立した高齢者全体に適用できるか否かについては、さらなる検討が必要であると考えられます。そのため、65歳以上にも、適切な日光暴露を受けることを推奨して、成人(18〜64歳)の目安量(9.0μg/日)と同じとしました。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕






