食事摂取基準161 ビタミンD11

「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、各論のエネルギー・栄養素について説明しています。その中から脂溶性ビタミンのビタミンDの欠乏回避の「目安量の策定方法」の続きを紹介します。

〔目安量の策定方法〕
*妊婦(目安量)
妊婦において、血中25−ヒドロキシビタミンD濃度が低いと、妊娠高血圧症候群(主に子癇前症)の発症リスクが高いことが報告されています。

しかしながら、妊婦の必要量が非妊娠時の同年齢の女性の必要量と異なるというエビデンスは乏しく、諸外国の食事摂取基準においても、非妊娠時と同値を設定しています。そこで、妊婦の目安量を非妊娠時と同じ9.0μg/日としました。

*授乳婦(目安量)
母乳中ビタミンD濃度に関しては、測定法によって大きく異なる値が報告されていることから、母乳への分泌量に基づいて設定することは困難です。

また、授乳婦の必要量が非妊娠時の同年齢の女性の必要量と異なるというエビデンスも乏しいため、授乳婦の目安量を非授乳時と同じ9.0μg/日としました。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕