食事摂取基準171 ビタミンE6

「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、各論のエネルギー・栄養素について説明しています。その中から脂溶性ビタミンのビタミンEの欠乏の回避の「目安量の策定方法」の続きを紹介します。

*成人(目安量)
多価不飽和脂肪酸1gに対するビタミンE必要量を0.4mgとして、国民健康・栄養調査(平成30年・令和元年)の結果を用いて、性・年齢別の多価不飽和脂肪酸摂取量(平均値)に対応するビタミンE摂取量を算出すると、成人における最低限必要量の5mgを下回る区分はありません。

一方、ビタミンE摂取量は、いずれの性・年齢区分でも多価不飽和脂肪酸摂取量に対応するビタミンE摂取量を上回っており、現状のビタミンE摂取量であれば、多価不飽和脂肪酸摂取に対して適切なビタミンE摂取量を維持できると判断しました。

この種の食事調査方では一定の過小評価が観察されるため、実際には、この数値よりも少し多く摂取しているものと考えられます。

この点からも、現在の日本人の摂取量であれば十分なビタミンE摂取量であると考えられます。

以上より、現在の摂取量の中央値をもって目安量としました。

*高齢者(目安量)
高齢者でも、加齢に伴い、ビタミンEの吸収や利用が低下するとの報告は存在しないため、国民健康・栄養調査(平成30年・令和元年)における摂取量の中央値を目安量としました。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕