食事摂取基準177 ビタミンK1

「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、各論のエネルギー・栄養素について説明しています。その中から脂溶性ビタミンのビタミンKの基本的事項の「定義と分類」を紹介します。

〔定義と分類〕
天然に存在するビタミンKには、フィロキノン(ビタミンK₁)とメナキノン類があります。これらはナフトキノンを共通の構造として持っていますが、側鎖構造のみが異なります。

メナキノン類のうち、栄養上、特に重要なものは、動物性食品に広く分類するメナキノン–4(ビタミンK₂)と納豆菌が産生するメナキノン–7です。

フィロキノン、メナキノン–4、メナキノン–7は、ヒトにおける腸管からの吸収率や血中半減期がそれぞれ異なり、生理活性も異なると考えられます。

ビタミンK₁に比して、ビタミンK₂の効果が大きいことは報告されていますが、相対的な生理活性の換算は困難であるため、ビタミンKの食事摂取基準は両者を区別せず、両者の合計量として指標(目安量)を算定しました。

分子量のほぼ等しいフィロキノンとメナキノン–4については、それぞれの重量を、メナキノン–7はメナキノン–4相当量に換算しました。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕