食事摂取基準181 ビタミンK5

「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、各論のエネルギー・栄養素について説明しています。その中から脂溶性ビタミンのビタミンKの欠乏の回避の「目安量の策定方法」を紹介します。

〔目安量の策定方法〕
*成人(目安量)
我が国において、健康な人でビタミンK欠乏に起因する血液凝固遅延が認められるのは稀であり、現在の通常の食事摂取であれば、ビタミンKはほぼ充足していると考えられます。

したがって、国民健康・栄養調査などで観察されたビタミンK摂取量の中央値を用いるのが適当と考えられます。

ところが、日本人は総ビタミンK摂取量に与える納豆由来のビタミンK摂取量の影響を無視できず、そのために納豆摂取者と納豆非摂取者という2つの異なる摂取量分布を有する集団が混在していることになります。

これは、納豆摂取者と納豆非摂取者の平均ビタミンK摂取量は336μg/日と154μg/日であったとの報告からも明らかです。

納豆非摂取者においても、明らかな健康障害は認められていないことから、納豆非摂取者の平均ビタミンK摂取量(約150μg/日)をもって目安量としました。

ただし、この研究は、対象が20歳代女性に限定されており、今後、他の性・年齢区分に対しても同様の調査が必要です。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕