食事摂取基準186 ビタミンB₁2

「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、各論のエネルギー・栄養素について説明しています。その中から水溶性ビタミンのビタミンB₁の基本的事項の「消化、吸収、代謝」を紹介します。

〔消化、吸収、代謝〕
生細胞中のビタミンB₁の大半は補酵素型のチアミン二リン酸(ThDP)として存在して、酵素たんぱく質と結合した状態で存在しています。

食品を調理・加工する過程と胃酸環境下で酵素たんぱく質が変性することによって、ほとんどのチアミン二リン酸(ThDP)が遊離します。

遊離したチアミン二リン酸(ThDP)のほとんどは消化管内のホスファターゼによって加水分解され、チアミンとなった後、空腸と回腸において能動輸送で吸収されます。

これらの過程は食品ごとに異なり、同時に摂取する食品の影響も受けます。

我が国で食されている平均的な食事中のビタミンB₁の遊離型ビタミンB₁に対する相対生体利用率は、60%程度であると報告されています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕