食事摂取基準197 ビタミンB₂3

「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、各論のエネルギー・栄養素について説明しています。その中から水溶性ビタミンのビタミンB₂の「消化、吸収、代謝」を紹介します。

〔消化、吸収、代謝〕
生細胞中のリボフラビンの大半は、フラビンアデニンジヌクレオチド(FAD)またはフラビンモノヌクレオチド(FMN)として酵素たんぱく質と結合した状態で存在しています。

食品を調理・加工する過程や胃酸環境下でほとんどのフラビンアデニンジヌクレオチド(FAD)とフラビンモノヌクレオチド(FMN)は遊離します。

遊離したフラビンアデニンジヌクレオチド(FAD)とフラビンモノヌクレオチド(FMN)のほとんどは、小腸粘膜のフラビンモノヌクレオチド(FMN)ホスファターゼとフラビンアデニンジヌクレオチド(FAD)ホスファターゼによって加水分解されて、リボフラビンとなった後に、小腸上皮細胞において能動輸送で吸収されます。

すなわち、食品に含まれるビタミンB₂の生体利用率は遊離型ビタミンB₂よりも低くなっています。

これは食品ごとに異なり、同時に摂取する食品の影響も受けると推測されます。

我が国で摂取されているビタミンB₂の相対生体利用率(遊離型ビタミンB₂の生体利用率に対する値)は64%との報告があります。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕