「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、各論のエネルギー・栄養素について説明しています。その中から水溶性ビタミンのビタミンB₂の「指標設定の基本的な考え方」を紹介します。
〔指標設定の基本的な考え方〕
ビタミンB₂の栄養状態を反映する生体指標として、血中ビタミンB₂濃度、尿中リボフラビン排泄量、赤血球グルタチオンレダクターゼ活性が用いられています。
これらのうち、赤血球グルタチオンレダクターゼ活性が、ビタミンB₂の不足・欠乏に鋭敏に反応するため、生体指標としての利用価値が高いのではないかと考えられます。
しかし、その研究結果は質・量ともに十分でなく、現時点では赤血球グルタチオンレダクターゼ活性係数を生体指標として用いて推定平均必要量を設定することはできないと判断しました。
ところで、リボフラビンは血中に送られるとともに尿に排泄されます。
組織中のビタミンB₂が飽和すると、余剰分のビタミンB₂はリボフラビンとして排泄されます。すなわち、尿中リボフラビン排泄量が増大します。
ビタミンB₂摂取量と尿中リボフラビン排泄量の関係を調べた報告に基づいて、摂取量を増やしていったときに尿中排泄量が増大に転じる(変曲点を示す)摂取量をもってビタミンB₂の飽和に必要な摂取量として、これを必要量と考えて、推定平均必要量を設定しました。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕






