食事摂取基準212 ナイアシン10

「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、各論のエネルギー・栄養素について説明しています。その中から水溶性ビタミンのナイアシンの「生活習慣病の発症予防」を紹介します。

〔生活習慣病の発症予防〕
ナイアシンの大量投与は、脂質異常症の治療法として長く使われてきました。

韓国の3つのコホート研究のプール解析では、推奨量を上回る程度の範囲であっても、食事由来のナイアシン摂取量と脂質異常症のリスクの間に負の関連が認められています。

しかし、脂質異常症予防を目的としたナイアシン摂取量の決定には、さらなるエビデンスの蓄積が必要となります。

また、糖尿病の発症のリスクには関連がないという研究も存在します。

以上より、生活習慣病の発症予防を目的とした具体的な数値を算出する上で十分な情報を得られていないと判断して、目標量は設定されていません。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕