食事摂取基準213 ナイアシン11

「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、各論のエネルギー・栄養素について説明しています。その中から水溶性ビタミンのナイアシンの「活用に当たっての留意事項」を紹介します。

〔活用に当たっての留意事項〕
ナイアシンの推定平均必要量はペラグラ発症という欠乏を回避するための最小摂取量であり、これを下回る日々が数週間続くと欠乏となります。

ビタミン体としてのナイアシンよりも、前駆体であるトリプトファンの欠乏がペラグラ発症のリスクにより影響を与えます。

体内の要求量は、エネルギー消費量の増大に伴って増えます。

ナイアシンは不可欠アミノ酸のトリプトファンから生合成されるので、トリプトファンの摂取量も考慮する必要があります。

トリプトファンの推定平均必要量は成人で6mg/gたんぱく質ですが、ナイアシン栄養を良好に維持するには12mg/gたんぱく質の摂取が望ましいとされています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕