「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、各論のエネルギー・栄養素について説明しています。その中から水溶性ビタミンのビタミンB₁₂の欠乏回避の「目安量の策定方法」の続きを紹介します。
〔目安量の策定方法〕
*妊婦(目安量)
胎児の肝臓中のビタミンB₁₂量から推定して、胎児は平均0.1〜0.2μg/日のビタミンB₁₂を蓄積します。
しかし、妊婦におけるビタミンB₁₂の摂取量と栄養状態を反映する生体指標との関係について、科学的根拠が不足しています。
妊婦のビタミンB₁₂摂取量は、妊娠中期で5.8±3.1mg/日、妊娠後期で6.0±3.2mg/日(平均±標準偏差)という報告があります。
また、平成30年・令和元年国民健康・栄養調査の結果の中央値によると、2.8〜4.0μg/日です。そこで、妊婦の目安量は非妊娠時の目安量と同様に4.0μg/日としました。
*授乳婦(目安量)
授乳婦のビタミンB₁₂摂取量と授乳婦と乳児のビタミンB₁₂の栄養状態を反映する生体指標との関係について、科学的根拠が不足しています。
授乳婦のビタミンB₁₂摂取量は、6.5±2.9mg/日(平均±標準偏差)という報告があります。
また、平成30年・令和元年国民健康・栄養調査の結果の中央値によると、3.1〜3.2μg/日です。そこで、授乳婦の目安量は非妊娠時の目安量と同様に4.0μg/日としました。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕






