食事摂取基準230 ビタミンB₁₂7

「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、各論のエネルギー・栄養素について説明しています。その中から水溶性ビタミンのビタミンB₁₂の過剰摂取の回避の「摂取源となる食品」と「耐容上限量の策定」を紹介します。

〔摂取源となる食品〕
通常の食品を摂取している人で、過剰摂取による健康被害が発現したとの報告は見当たりません。

これは、胃から分泌される内因子によって小腸からの吸収量が調整されているためと考えられます。

また、サプリメント等による摂取においても、特殊な吸収機構を有して、体内への吸収量が厳密に調整されているため、健康被害の報告はありません。

〔耐容上限量の策定〕
ビタミンB₁₂は、胃から分泌される内因子を介した吸収機構が飽和すれば食事中から過剰に摂取しても吸収されません。

また、大量(500μg/日以上)のシアノコバラミンを経口投与した場合でも、内因子非依存的に投与量の1%程度が吸収されるのみです。

さらに、非経口的に大量(2.5mg/日)のシアノコバラミンを投与しても、過剰症は認められていません。

このように、現時点でビタミンB₁₂の過剰摂取が健康被害を示す科学的根拠がないために、耐容上限量は設定されていません。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕