「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、各論のエネルギー・栄養素について説明しています。その中から水溶性ビタミンのパントテン酸の基本的事項の「定義と分類」と「機能」を紹介します。
〔定義と分類〕
パントテン酸活性を有する化合物を総称してパントテン酸と言います。
遊離型パントテン酸の化学名はパントテン酸です。
補酵素A(コエンザイムA、CoA)が補酵素として機能します。
食品中には、パントテン酸のほかに、CoA、アシルCoA、アシルキャリアたんぱく質(ACP)、4’-ホスホパンテテインの形態でも存在します。
これらは消化管でパントテン酸にまで消化された後に、体内に取り込まれるため、パントテン酸と等モルの活性を示します。
日本食品標準成分表(七訂)と日本食品標準成分表(八訂)に従って、食事摂取基準の数値はパントテン酸相当量として示しました。
〔機能〕
パントテン酸の生理作用は、CoAやACPを構成する4’-ホスホパンテテインアシル基と結合することによって発揮されます。
アシルCoAはクエン酸回路(TCA回路)、脂肪酸のβ酸化、脂肪酸合成経路、コレステロール合成経路などの様々な代謝経路で、ACPは脂肪酸合成経路に関与します。
特に脂質代謝、エネルギー産生に重要な役割を果たします。パントテン酸はギリシャ語で「どこにでもある酸」という意味で、広く食品に存在するため、ヒトでの欠乏症はまれです。
パントテン酸が不足すると、細胞内のCoA濃度が低下するため、成長停止や副腎障害、手や足のしびれと灼熱感、頭痛、疲労、不眠、胃不快感を伴う食欲不振などが起こります。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕






