食事摂取基準271 ナトリウム10

「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、各論のエネルギー・栄養素について説明しています。その中から多量ミネラルのナトリウムの生活習慣病の発症予防の「目標量の策定方法」を紹介します。
〔目標量の策定方法〕

*成人・高齢者(目標量)
2000年以降の国民健康・栄養調査の経年変化を見ると、日本人の食塩摂取量は、日本人の食事摂取基準(2020年版)で設定した目標量には達していないものの、減少傾向にあります(1歳以上・男女計の1人1日当たりの食塩摂取量中央値は、2000年12.3g/日、2018年9.7g/日)。

日本をはじめ各国のガイドラインを考慮すると高血圧の予防・治療のためには、6g/日未満の食塩摂取量が望ましいと考えられることから、できるだけ、この値に近づくことを目標とすべきであると考えられます。

一方、2012年のWHOのガイドラインが成人に対して強く推奨しているのは、食塩相当量として5g/日未満です。

5g/日は平成30年・令和元年国民健康・栄養調査における成人のナトリウム摂取量(食塩相当量)の分布における下方5パーセンタイル値(男性が4.7〜5.5g/日、女性が3.8〜4.5g/日)付近です。

ナトリウム摂取量の個人内日間変動の大きさ(個人内変動係数は34〜36%であり、個人間変動係数の15〜20%よりも数値として大きい)を考慮すれば、習慣的な摂取量として5g/日未満を満たしている者は極めて稀であると推定されます。

したがって、目標量を5g/日未満とするのは、現時点では実施可能性の観点から適切ではありません。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕