食事摂取基準272 ナトリウム11

「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、各論のエネルギー・栄養素について説明しています。その中から多量ミネラルのナトリウムの生活習慣病の発症予防の「目標量の策定方法」の続きを紹介します。

〔目標量の策定方法〕
*成人・高齢者(目標量)続き
24時間尿中ナトリウム排泄量から食塩摂取量を推定する方法があり、海外の食事摂取基準の策定には、24時間尿中ナトリウム排泄量から推定した食塩摂取量を用いているケースも多くなっています。

我が国で1953年から2014年に行われた53本の研究論文のレビューによると、24時間尿中ナトリウム排泄量の平均値は、1950年代では約8500mg/日、2010年代の研究では約4260mg/日であったと報告されています。

これらの尿中ナトリウム排泄量から単純に2.54倍して食塩相当量を推定すると、1950年代で約21.6g/日、2010年代で約10.8g/日となります。

さらに、尿中ナトリウム排泄量は摂取量の86%であるという報告を基に食塩摂取量を推定すると、それぞれ25.1g/日、12.6g/日となります。

その後に我が国で行われている研究を含めても、特定の年齢階級を対象としたデータが多く、それらの値にはばらつきがあります。

一方、平成30年・令和元年国民健康・栄養調査の結果では、食塩摂取量の中央値は10.1g/日となっています。

このように食事記録からの食塩摂取量の推定値と、24時間尿中ナトリウム排泄量からの食塩摂取量の推定値には若干の乖離も見られますが、今回は前回同様に国民健康・栄養調査の結果を用いて目標量を算定しました。

そこで、これまでと同様に実施可能性を考慮して、WHOが推奨する5g/日と、平成30年・令和元年国民健康・栄養調査における摂取量の中央値との中間値をとって、この値未満を成人の目標量としました。

「目標量=(5g/日+現在の摂取量)÷2」

ただし、成人期以降は目標量を高くする必要はないため、男性では50〜74歳、女性では30歳以上で値の平滑化を行いました。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕