食事摂取基準278 カリウム2

「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、各論のエネルギー・栄養素について説明しています。その中から多量ミネラルのカリウムの欠乏の回避の「目安量の策定方法」を紹介します。

〔目安量の策定方法〕
*成人・高齢者(目安量)
成人におけるカリウム不可避損失量の推定値として、便:4.84mg/kg体重/日、尿:2.14mg/kg体重/日、皮膚:2.34mg/kg体重/日(高温環境安静時5.46mg/kg体重/日)、合計9.32mg/kg体重/日(高温環境安静時12.44mg/kg体重/日)とする報告、合計15.64mg/kg体重/日とする報告があります。

また、便からの喪失は約400mg/日、尿からの排泄は200〜400mg/日であり、普段の汗、その他からの喪失は無視することができて、800mg/日の摂取で平衡が維持できるとした報告もあります。

しかし、この報告では、体内貯蔵量が減少して、何人かの被験者で血漿濃度が低下したため、1600mg/日(23mg/kg体重/日)を適切な摂取量としています。

また、カリウムの体内貯蔵量を正常に保ち、血漿と組織間液の濃度を基準範囲に維持するには、1600mg/日を摂取することが望ましいとする報告もあります。

これらの報告から、1600mg/日は安全率を見込んだ平衡維持量と考えることができます。

平成30年・令和元年国民健康・栄養調査における日本人の成人のカリウム摂取量の中央値は、男性2042〜2613mg/日、女性1726〜2402mg/日でした。

この値は、カリウム平衡を維持するのに十分な摂取量です。

75歳以上の男性のカリウム摂取量の中央値は2500mg/日であり、現在の日本人にとってカリウム摂取量2500mg/日は無理のない摂取量であると考えられます。

これを根拠に、男性では年齢区分にかかわらず目安量を2500mg/日としました。女性は、男性とのエネルギー摂取量の違いを考慮して、2000mg/日を目安量としました。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕