食事摂取基準288 カルシウム5

「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、各論のエネルギー・栄養素について説明しています。その中から多量ミネラルのカルシウムの欠乏回避の「要因加算法による値の算定に用いた諸量」を紹介します。

〔要因加算法による値の算定に用いた諸量〕
*体内蓄積量
二重エネルギーX線吸収法(DXA法)を用いて全身の骨塩量を測定した報告を基に、性別および年齢区分ごとに平均骨塩量を算出して、年間増加骨塩量を求めて、この値から性別および年齢区分ごとの年間カルシウム蓄積量を算出しました。

なお、日本人の小児を対象とした横断的な研究では、対象者が少ない年齢もあるものの、今回推定した蓄積量が近い値が報告されています。
6歳以下については、年齢ごとの骨塩量増加量に基づいて年間のカルシウム蓄積量を算出しました。

*尿中排泄量および経皮的損失量
カルシウムの尿中排泄量は、カルシウム出納の平衡が維持されている場合には、体重(kg)0.75×6mg/日と計算されます。

この計算式で求められるカルシウム排出量は、実際に日本人女性の出納試験時の24時間尿中カルシウム排泄量とほぼ等しくなっています。
また、カルシウムの経皮的損失量は尿中排泄量の約1/6と考えられています。

したがって、性別と年齢区分ごとの参照体重から尿中カルシウム排泄量を算出して、さらに経皮的損失量を算出しました。

*見かけの吸収率
カルシウムの見かけの吸収率は摂取量に反比例します。

ただし、海外の研究で用いられた摂取量の多くは、日本人の平均的な摂取量よりも多いため、報告された見かけの吸収率をそのまま日本人に用いると過小に評価する可能性があります。

また、ダブルアイソトープ法によって真の吸収率が推定されますが、この値は見かけの吸収率よりも高く算出されます。

そこで、出納試験(見かけの吸収率が求められる)あるいはアイソトープを用いた試験(真の吸収率が求められる)の報告を基に、日本人のカルシウム摂取量の現状を踏まえて、性別と年齢区分ごとの見かけの吸収率を推定しました。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕