「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、各論のエネルギー・栄養素について説明しています。その中から多量ミネラルのカルシウムの過剰摂取の回避の「耐容上限量の策定方法」を紹介します。
〔耐容上限量の策定方法〕
*成人・高齢者(耐容上限量)
カルシウムの過剰摂取によって起こる障害として、高カルシウム血症、高カルシウム尿症、軟組織の石灰化、泌尿器系結石、鉄や亜鉛の吸収障害、便秘などがあげられます。
ミルクアルカリ症候群の症例報告を見ると、3000mg/日以上の摂取で血清カルシウムは高値を示していました。
以上より、不確実性因子を1.2、最低健康障害発現量を3000mgとして、耐容上限量は2500mgとしました。
なお、諸外国の食事摂取基準でも、カルシウムの耐容上限量は、それまでのエビデンスから2500mg/日として、実際にそのレベルの摂取で問題となる健康障害がみられないことから設定されています。
日本人の通常の食品からの摂取で、この値を超えることはまれですが、サプリメントなどを使用する場合に注意するべき値です。
2008年、2010年にカルシウムサプリメントの使用によって、心血管疾患のリスクが上昇することが報告されています。
この報告に対しては様々な議論がありますが、通常の食品ではなく、サプリメントやカルシウム剤の形での摂取には注意する必要があります。
また、活性型ビタミンD製剤との併用によっては、より少ない摂取量でも血清カルシウムが高値を示すこともあり得ます。
*小児(耐容上限量)
17歳以下の耐容上限量は、十分な報告がないため、設定されていません。
しかし、これは多量摂取を勧めるものでも多量摂取の安全性を保証するものでもありません。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕






