「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、各論のエネルギー・栄養素について説明しています。その中から多量ミネラルのマグネシウムの過剰摂取の回避の「耐容上限量の策定」を紹介します。
〔耐容上限量の策定〕
食品以外からのマグネシウムの過剰摂取によって起こる初期の好ましくない影響は、下痢です。
多くの人では何も起こらないようなマグネシウム摂取量であっても、軽度の一過性下痢が起こることがあります。
それゆえ、下痢の発症の有無がマグネシウムの耐容上限量を決めるための最も確かな指標になると考えられます。
下痢の発症を臨床アウトカムとすると、欧米諸国からの報告に基づき、成人におけるサプリメント等からのマグネシウム摂取による最低健康障害発現量を360mg/日とするのは適当と考えられます。ただし、日本人における報告はありません。
マグネシウムの過剰摂取によって生じる下痢が緩やかなものであり、可逆的であることを考えると、不確実性因子は例外的に1に近い値にしても良いと考えられます。
アメリカ・カナダの食事摂取基準でも同様の考え方を採用して、最低健康障害発現量を360mg/日(体重換算すると5mg/kg体重/日)とした上で、不確実性因子をほぼ1として、成人並びに小児(ただし、8歳以上)について、耐容上限量を350mg/日としています。
この考え方を採用して、サプリメント等、通常の食品以外からの摂取量の耐容上限量を、成人の場合は350mg/日、小児では5mg/kg体重/日としました。
なお、サプリメント以外の通常の食品からのマグネシウムの過剰摂取によって好ましくない健康影響が発生したとする報告は見当たらないため、通常の食品からの摂取量の耐容上限量は設定されていません。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕






