「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、目的に応じた活用上の留意点を説明しています。その中から食事評価を紹介します。
〔食事評価〕
個人の食事改善を目的とする食事摂取基準を活用した食事評価では、栄養素摂取量の評価には摂取量推定による個人の摂取量を用いますが、個人が日々選択する食品は異なり、食欲も違うなど、日々の摂取量に影響を及ぼすさまざまな要因が存在するため、個人の習慣的な摂取量を把握することは困難です。
このように、個人の摂取量は大きな測定誤差が含まれた値であり、特に日間変動が大きく、個人の真の摂取量ではないことを理解することが大切です。
そうした数値の限界を理解した上で、摂取量と食事摂取基準の指標を比較して、食事評価を行います。なお、エネルギー摂取量の評価は、エネルギー出納の正負を評価するものであり、その評価指標にはBMIまたは体重変化量を用います。
エネルギー摂取量の過不足の評価には、成人の場合、BMIまたは体重変化量を用います。BMIについては、今回提示した目標とするBMIの範囲を目安とします。
ただし、たとえこの範囲にあっても、体重が増加傾向または減少傾向にある場合は、エネルギー収支バランスが正または負になっていることを示すため、このことに留意して適切に対応することが必要です。
乳児および小児のエネルギー摂取量の過不足の評価には、成長曲線(身体発育曲線)を用います。体重や身長を測定し、成長曲線(身体発育曲線)もカーブに沿っているか、体重増加が見られず成長曲線を大きく下回っていないか、成長曲線を大きく上回るような体重増加がないかなど、成長の経過を縦断的に観察します。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕