「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、各論のエネルギー・栄養素について説明しています。その中から多量ミネラルのリンの「指標設定の基本的な考え方」を紹介します。
〔指標設定の基本的な考え方〕
リンは多くの食品に含まれており、通常の食事では不足や欠乏することはありません。
一方、食品添加物として多くのリンが用いられており、国民健康・栄養調査などの報告値よりも多くのリンを摂取していることも考えられます。
1988年のアメリカの報告では、食事中のリンは計算値と実測値で平均して約250mg/日乖離しており、加工食品やインスタント食品が多い食事、外食などでは、350mg/日以上の乖離がみられたとされています。
我が国の報告では、2023年の食品安全委員会の「食品添加物のばく露評価に関する情報収集調査」によると、食品添加物由来のリン摂取量は53.4mg/日と報告されています。
一方、厚生労働省の「令和3年度マーケットバスケット方式による酸化防止剤、防かび剤等の摂取量調査」では、248mg/日という推定値も報告されています。
しかし、これは食品由来のリンも含まれた値であり、実際の食品添加物由来のリン摂取量は50〜60mg/日という報告もあるなど、結果にはばらつきがあります。
慢性腎臓病(CKD)ではリン摂取の制限も考慮されています。したがって、不足や欠乏の予防よりも、過剰摂取の回避が重要といえます。
推定平均必要量を設定できるエビデンスが乏しいことから、現在の摂取量から目安量を設定しました。
また、過剰摂取の回避のために耐容上限量を設定しました。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕






