食事摂取基準306 リン6

「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、各論のエネルギー・栄養素について説明しています。その中から多量ミネラルのリンの過剰摂取の回避の「摂取状況」と「耐容上限量の策定方法」を紹介します。

〔摂取状況〕
リンは、様々な食品に含まれています。

加工食品などでは食品添加物としてのリンが使用されていますが、摂取量に対する食品添加物等の寄与率は不明です。

〔耐容上限量の策定方法〕
*成人・高齢者(耐容上限量)
腎機能が正常なときは、多量のリンを摂取するとPTHとFGF23の分泌が亢進して腎臓からのリン排泄を促進して、血中のリン濃度を正常範囲に維持するように働きます。

このため、リンを過剰摂取した場合も、早朝空腹時の血清リン濃度は基準範囲に保たれており、リン摂取過剰状態の適切な指標とはなりません。

一方、食後の血清リン濃度、尿中リン排泄量、PTHやFGF23が耐容上限量の設定に有効な指標となり得る可能性があります。リン摂取量とPTHとの関係は、古くより研究されてきています。

食品添加物としてリンを多量に摂取した場合は、総摂取量が2100mg/日を超えると副甲状腺機能の亢進を来すという報告があります。

また、1500〜2500mg/日の無機リン(リン酸)あるいは400〜800mg/日の無機リンを食事に添加することによって、食後のPTHレベルが上昇することも知られています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕