「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、各論のエネルギー・栄養素について説明しています。その中から多量ミネラルのリンの過剰摂取の回避の「耐容上限量の策定方法」の続きを紹介します。
〔耐容上限量の策定方法〕
*成人・高齢者(耐容上限量)
リンの過剰摂取は、腸管におけるカルシウムの吸収を抑制するとともに、食後の急激な血清無機リン濃度の上昇によって、血清カルシウムイオンの減少を引き起こし、血清副甲状腺ホルモン濃度を上昇させます。
しかし、これらの反応が骨密度の低下につながるか否かについては、否定的な報告もあります。
一方、カルシウムの摂取量が少ない場合には、リンの摂取は用量依存的に成人女性の血中のPTH濃度を上昇させ、骨吸収マーカー(I型コラーゲン架橋N-テロペプチド)を上昇させ、骨形成マーカー(骨型アルカリホスファターゼ)を低下させるという報告があります。
したがって、リンとカルシウムの摂取量の比も考慮する必要があるという報告があります。
しかし、現在のところ、高リン摂取または低カルシウム/リン比の食事摂取と骨減少の関連については、ヒトでの研究は十分ではありません。
そのため、PTHレベルの上昇を指標として耐容上限量を算定するのは、少なくとも現段階では困難であると考えられます。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕






