食事摂取基準308 リン8

「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、各論のエネルギー・栄養素について説明しています。その中から多量ミネラルのリンの過剰摂取の回避の「耐容上限量の策定方法」の続きを紹介します。

〔耐容上限量の策定方法〕
*成人・高齢者(耐容上限量)
近年、リン負荷の指標として注目されているのがFGF23です。

しかしながら、血清FGF23濃度の測定方法が試験によって異なることや、日本人でのリン摂取量と血清FGF23との関係、さらには血清FGF23の健康の保持・増進における意義については、いまだ十分な科学的根拠が得られておらず、FGF23を指標にした耐容上限量の設定も現時点で困難と考えられています。

リン摂取量と骨以外の有害事象との関係も報告されています。

これらの健康障害発現量を耐容上限量と考えることも可能ですが、評価指標によって健康障害を示すリン摂取量は1347〜3600mg/日と幅が広い上に、データが十分ではなく、閾値を設定することは困難です。

そこで、血清リン濃度の変動あるいは尿中リン排泄量を指標とした検討を行いました。

リン摂取量ごとの血清リン濃度の日内変動を検討した試験では、1500mg/日では正常上限を超えることはありませんが、3000mg/日では食後に正常上限を超えるレベルに達するとされています。

日本人男性を対象とした研究でも800mg/食(1日に換算すると2400mg)では正常上限を超えることはないものの、1200mg/食(1日に換算すると3600mg)では正常上限を超えることが示されています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕