食事摂取基準318 鉄7

「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、各論のエネルギー・栄養素について説明しています。その中から微量ミネラルの鉄の欠乏回避の「必要量を決めるために考慮すべき事項」の続きを紹介します。

〔必要量を決めるために考慮すべき事項〕
*必要量の個人間変動
これまでの食事摂取基準では、6か月〜5歳において個人間の変動係数を20%と見積もってきましたが、6〜11歳に関しても個人間変動が大きいと考えられます。

そこで月経のない場合の変動係数については、6〜11歳を20%、12歳以上を10%としました。

EFSAでは、月経による血液損失が鉄の必要量に及ぼす影響が大きいことから、月経のある女性に関しては、集団の95%が鉄欠乏を予防できる摂取量である集団参照値(population reference intake:PRI)を算定するに当たり、月経による血液損失量の95パーセンタイル値を用いています。

この考えに従って、月経のある女性の推奨量の算定において、月経による鉄損失は月経による血液損失の平均値+標準偏差×2に相当する60.2mL/回を用いて0.89〜0.95mg/日と推定しました。

ここで採用した月経による鉄損失の変動係数は約40%になります。

そこで月経のある成人女性の基本的鉄損失および月経のある小児の基本的鉄損失と成長に伴う鉄蓄積の変動係数は、10〜11歳を含めて10%で十分と考えました。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕