「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、各論のエネルギー・栄養素について説明しています。その中から微量ミネラルの鉄の欠乏回避の「推定平均摂取量、推奨量、目安量の算定方法」の妊婦の付加量の続きを紹介します。
〔推定平均摂取量、推奨量、目安量の算定方法〕
*妊婦の付加量(推定平均摂取量、推奨量)
アメリカ女性12名を対象として、妊娠12、24、36週目に非ヘム鉄3.2mgを添加したパン、ベーコン、オレンジジュースからなる朝食を与えた実験では、非ヘム鉄の吸収率が、それぞれ7%、36%、66%であったとしています。
一方、妊娠32〜35週のアメリカ人女性18名を対象にした研究においては、ヘム鉄の吸収率を48%、非ヘム鉄の鉄吸収率を40%としています。
これらのことは、妊娠中期以降に、特に非ヘム鉄の吸収率が著しく上昇することを示しています。
これらの報告に基づき、妊娠女性の鉄の吸収率を、初期は非妊娠期(月経なし)と同じ16%、中期40%、後期50%とすると、上記の必要量を満たす摂取量は初期2.00mg/日、中期6.70mg/日、後期7.28mg/日となります。
数値の信頼度を考慮して、中期と後期は分けず、両者の中間値(6.99mg/日)を求め、初期2.0mg/日、中期・後期7.0mg/日を推定平均摂取量の付加量としました。
また、推奨量の付加量は、個人間の変動係数を10%と見積もり、推定平均摂取量に推奨量算定係数1.2を乗じて、丸め処理を行って、初期2.5mg/日、中期・後期8.5mg/日としました
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕






