「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、各論のエネルギー・栄養素について説明しています。その中から微量ミネラルの鉄の過剰摂取の回避の「摂取状況」と「耐容上限量の策定」を紹介します。
〔摂取状況〕
平成30年・令和元年国民健康・栄養調査における日本人成人(18歳以上)の鉄摂取量(平均値±標準偏差)は8.2±3.2mg/日(男性)、7.5±3.0mg/日(女性)です。
また、令和元年国民健康・栄養調査によれば、鉄摂取量の70%以上は植物性食品由来です。
〔耐容上限量の策定〕
*成人・高齢者(耐容上限量)
遷移金属である鉄は、組織に蓄積した場合、フェントン反応と呼ばれる継続的な過酸化反応によって細胞を損傷して、様々な臓器障害を引き起こします。
特に慢性肝臓疾患の悪化に及ぼす鉄蓄積の影響は大きくなっています。
2%の鉄をカルボニル鉄の形態で含有する飼料を与えられたマウスでは、血清や肝臓の鉄濃度の上昇とともに、血糖値、インスリン抵抗性、肝臓脂質濃度、肝臓過酸化脂質の上昇が認められています。
しかし、この実験の鉄投与量は、ヒトの食生活からはかけ離れたものです。
一般的な食事等に由来する鉄が過剰に臓器に蓄積する事例には、ヘプシジンが関わる鉄吸収制御に関わる遺伝子等の異常が関わるとされています。
そのため、遺伝子の異常がない場合、食事からの鉄の摂取が多くなっても、ヘプシジンによる調節によって鉄の吸収量は正常な範囲に維持されるので、食事由来の鉄による鉄過剰障害のリスクは無視できるとされています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕






