食事摂取基準356 マンガン2

「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、各論のエネルギー・栄養素について説明しています。その中から微量ミネラルのマンガンの基本的事項の「消化、吸収、代謝」を紹介します。

〔消化、吸収、代謝〕
経口摂取されたマンガンは胃で可溶化されて、2価イオンの状態でDMT1、ZIP8、ZIP14等の担体を介して小腸上皮細胞に吸収されます。

消化管からの見かけの吸収率は1〜5%とされます。

マンガンは、鉄の輸送担体であるDMT1を利用しても吸収されるため、その吸収量は鉄の栄養状態の影響を受けて、鉄欠乏下では増加します。

吸収されたマンガンは門脈を経て、速やかに肝臓に運ばれ、胆汁を介して糞便に排泄されます。

マンガン輸送担体の中で、ZIP8は胆管において胆汁中のマンガンの再吸収にも関わっています。

ヒトでの食事性マンガン欠乏は全世界的に報告はないものの、ZIP8に異変があると、胆汁を介したマンガン排泄量が増大して体内のマンガン量が激減するため、頭蓋非対称、痙攣、小人症等、マンガン欠乏に伴うガラクトシルトランスフェラーゼ活性の低下がもたらす先天性障害が発生することが報告されています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕