「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、各論のエネルギー・栄養素について説明しています。その中から微量ミネラルのヨウ素の欠乏回避の「推定平均必要量、推奨量の策定方法」の続きを紹介します。
〔推定平均必要量、推奨量の策定方法〕
*妊婦の付加量(推定平均必要量、推奨量)
新生児の甲状腺内ヨウ素量は50〜100μgであり、その代謝回転はほぼ100%です。
この中間値である75μg/日を妊婦への推定平均必要量の付加量としました。
18〜29歳の非妊娠女性の推定平均必要量(100μg/日)に付加量(75μg/日)を加えた175μg/日は、5人の妊婦を対象とした試験で得られた出納を維持できる摂取量(約160μg/日)を上回っています。
推奨量の付加量は、個人間の20%と見積もり、推定平均必要量の付加量に推奨量の算定係数1.4を乗じて110μg/日としました。
*授乳婦の付加量(推定平均必要量、推奨量)
日本人の母乳中ヨウ素濃度は諸外国に比較して高いものの、この母乳中のヨウ素濃度は授乳婦の高ヨウ素摂取に起因したものであり、高ヨウ素濃度の母乳分泌に対応して、授乳婦がヨウ素摂取量を増やす必要はありません。
一方、WHOは妊婦と授乳婦に関して、ヨウ素の推奨摂取量を250μg/日としています。
以上より、授乳によって失われるヨウ素を補うには、0〜5か月児の目安量である100μg/日で十分と考えて、推定平均必要量の付加量を100μg/日としました。
推奨量の付加量は、個人間の変動係数を20%と見積もり、推定平均必要量の付加量に推奨量算定係数1.4を乗じて140μg/日としました。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕






