「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、各論のエネルギー・栄養素について説明しています。その中から微量ミネラルのセレンの「指標設定の基本的な考え方」を紹介します。
〔指標設定の基本的な考え方〕
セレノプロテイン類の合成量は、セレン摂取量に依存して変化して、セレン摂取量が一定量を超えると飽和します。
このため、2001年に公表されたアメリカ・カナダの食事摂取基準はセレノプロテインとして血漿GPX、2010年代に公表された各国の食事摂取基準はセレノプロテインとして血漿セレノプロテインPを選択して、これらの飽和に必要な摂取量を基にセレンの推定平均必要量と推奨量を策定しています。
一方、WHOは、血漿GPX活性値が飽和値の2/3の値であればセレン欠乏症と考えられる克山病が予防できることから、血漿GPX活性の飽和値の2/3の値を与えるセレン摂取量をセレンの必要量としています。
セレン摂取量が少なく、住民の血漿や赤血球のGPX活性値が未飽和の地域はいくつか存在しますが、それらの地域にセレン欠乏症は出現していません。
したがって、セレン欠乏症予防の観点からは、必要量は、WHOが示す血漿GPX活性値が飽和値の2/3となるときのセレン摂取量で十分と考えられます。
以上より、WHOの考え方を参照して、克山病のような欠乏症の予防の観点から推定平均必要量および推奨量を策定しました。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕






