食事摂取基準387 セレン9

「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、各論のエネルギー・栄養素について説明しています。その中から微量ミネラルのセレンの過剰摂取の回避の「耐容上限量の策定方法」の続きを紹介します。

〔耐容上限量の策定方法〕
*小児(耐容上限量)
全血中セレン濃度と尿中セレン濃度の平均値が、それぞれ813μg/L、636μg/gクレアチニンであるベネズエラの高セレン地域の10〜14歳の小児111人は、全血中セレン濃度と尿中セレン濃度の平均値が、それぞれ355μg/L、224μg/gクレアチニンである首都カラカスの小児50人に比較して、う歯の保有数および骨の病理学的変化や皮膚炎等を発症する割合が高いという報告があります。

この報告では、対象となった高セレン地域の小児の平均セレン摂取量を、厳密に求めることは困難ですが、尿中濃度からは600μg/日を超えると推定できます。

一方、成人の耐容上限量の参照値である6.7μg/kg/体重/日を小児に適用した場合、9〜10歳と12〜14歳の値(男女の平均値)は、それぞれ241μg/日と323μg/日となります。

これらの値は、ベネズエラの高セレン地域の小児の平均セレン摂取量の50パーセンタイル未満の値であると判断できるので、成人の耐容上限量の参照値(6.7μg/kg/体重/日)を小児に適用することは妥当と考えました。

以上より、小児の耐容上限量は、成人の耐容上限量の参照値に性別および年齢区分ごとの参照体重を乗じて設定しました。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕