「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、各論のエネルギー・栄養素について説明しています。その中から微量ミネラルのセレンの「生活習慣病等の発症予防」を紹介します。
〔生活習慣病等の発症予防〕
セレンと心血管系疾患に関するコホート研究と介入研究をまとめたメタ・アナリシスは、コホート研究において対象者全体の平均血清セレン濃度が106μg/L未満の場合、血清セレン濃度の高い群において心血管系疾患発症リスクが低下しますが、対象者全体の平均血清セレン濃度が106μg/L以上の場合のコホート研究およびセレンサプリメントを投与した介入研究(投与量の中央値200μg/日)においては、セレンと心血管系疾患発症との間の関連を認めないとしています。
また、セレンと高血圧に関する疫学研究をまとめた論文は、セレン状態と高血圧との間に関連はないと結論しています。
他方、アメリカとイギリスでの大規模な横断研究は、血清セレン濃度と血中脂質(コレステロールおよびトリグリセリド)の関連がU字型であることを示しています。
以上のことは、セレン摂取が少なく、セレノプロテイン類の合成が飽和していない集団においては、セレン状態が低い場合に心血管疾患や脂質異常症の発症リスクが高まりますが、セレノプロテイン合成が飽和している場合には、セレン状態とこれらの疾患との間に関連がないことを示唆しています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕






