「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、各論のエネルギー・栄養素について説明しています。その中から微量ミネラルのクロムの過剰摂取の回避の「耐容上限量の策定方法」を紹介します。
〔耐容上限量の策定方法〕
*成人・高齢者(耐容上限量)
通常の食品からクロムの過剰摂取が生じることは考えられませんが、クロムサプリメントの不適切な使用が過剰摂取を招く可能性があります。
肥満でなく(BMIが27未満)、血糖値が正常な20〜50歳の男女に1000μg/日の3価クロム(ピコリン酸クロム)を16週間にわたって投与した研究では、クロム投与がインスリンの感受性を高めることはなく、クロム投与者では血清クロム濃度とインスリン感受性との間に逆相関が認められています。
このことは、クロム吸収量の増加がインスリン感受性を低下させることを示唆しており、1000μg/日の3価クロム摂取が健康障害を起こす可能性は否定できません。
以上より、1000μg/日を成人における3価クロムの最低健康障害発現量と考えて、不確実性因子を2として、成人のクロム摂取の耐容上限量を一律に500μg/日としました。
*小児・乳児(耐容上限量)
十分な報告がないため、小児および乳児の耐容上限量は設定されていません。
*妊婦・授乳婦(耐容上限量)
十分な報告がないため、妊婦および授乳婦に特別な耐容上限量は設定されていません。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕






