食事摂取基準413 高血圧5

「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、生活習慣病とエネルギー・栄養素との関連について説明しています。その中の高血圧と特に関連の深い栄養素の「ナトリウム(食塩)」の続きを紹介します。

〔ナトリウム(食塩)〕
食塩摂取量と循環器疾患のリスクとの関連についても、多くのエビデンスがあります。

我が国の国民栄養調査参加者の24年間のコホート研究において、世帯単位の摂取エネルギー1000kcal当たり食塩摂取量2gの増加は、脳血管死亡11%、冠動脈疾患死亡25%、脳卒中死亡12%及び総死亡7%の増加と関連していました。

食塩摂取量を24時間蓄尿で評価したコホート研究からは特に強いエビデンスが得られます。

複数回の24時間蓄尿により食塩摂取量を評価したコホート研究のメタ・アナリシスでは、食塩摂取量と循環器疾患はほぼ直線的関係であることが示されました。

また、食塩摂取量の少ない第1四分位群における循環器疾患の増加は認められていません。

一方、食塩摂取量と循環器疾患のリスクや総死亡リスクとのJ字型の関連(低い食塩摂取量におけるリスク上昇)を報告したものがありますが、スポット尿による食塩摂取量の推定値を用いるなど研究方法に問題があって、信頼度は低くなっています。

不健康な食事は、世界全体の循環器疾患を含む非感染性疾患による死亡者数の22%(約1100万人)の原因と推計されています。

推計死亡者数に寄与する要因に関する検討では、ナトリウム(食塩)の過剰摂取が最大でした。

また、日本を含む東アジア地域では、不健康な食事による死亡者数は30%と推計されており、食塩過剰摂取の寄与が大きくなっています。

減塩により循環器疾患のリスクが低下するかを証明するには長期間の大規模な介入試験が必要であって容易ではないものの、いくつかの報告があります。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕