「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、生活習慣病とエネルギー・栄養素との関連について説明しています。その中の脂質異常症と特に関連の深いエネルギー・栄養素の「飽和脂肪酸」の続きを紹介します。
〔飽和脂肪酸〕
我が国のNIPPON DATA90では、飽和脂肪酸摂取量と総コレステロール、LDL-コレステロールとの間に正の相関があることが示されました。
また、INTERLIPIDstudyでは、食事中の多価不飽和脂肪酸/飽和脂肪酸比は総コレステロールおよびLDL-コレステロールと負の相関を示して、トリグリセライドやHDL-コレステロールとは関連しませんでした。
したがって、適正な総エネルギー摂取量のもとで飽和脂肪酸を減らすこと、または飽和脂肪酸を多価不飽和脂肪酸に置換することは、血清脂質の改善に有効であり、冠動脈疾患の発症予防にも有効と考えられます。
一方、飽和脂肪酸を適度に制限することは脳内出血の発症と関連する可能性がありますが、現在の日本人の平均的な摂取量(7.8〜9.5%エネルギー)を考慮すると、日本人の食事摂取基準および「動脈硬化性疾患予防ガイドライン 2022年版」において、飽和脂肪酸の摂取上限をそれぞれ7%エネルギー以下および7%エネルギー未満と設定しているのは妥当と考えられます。
さらに、血清総コレステロールおよびLDL-コレステロールへの影響を飽和脂肪酸の炭素数別に検討したメタ・アナリシスによると、ラウリン酸(炭素数が12)、ミリスチン酸(同じく14)、パルミチン酸(同じく16)では有意な上昇がみられましたが、ステアリン酸(同じく18)では有意な変化はみられませんでした。
このように、飽和脂肪酸の中でも炭素数の違いによって血清コレステロールへの影響が異なることが指摘されています。
植物由来でもココナッツオイルなどでは、ラウリン酸やミリスチン酸を多く含むため、摂取量には注意する必要があります。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕






